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───2年前─
2日後に日本を発つ為
いつもより早い時間に会社を後に
スクランブル交差点で
信号待ちをしていた。
何気なく見た、道路をはさんだ斜め向こう側の道に立つ、一人の女性から
なぜか、目を逸(そ)らす事が出来なかった。
今にも泣きだしてしまいそうな、そんな顔で道の向こう側を見ている。
気になって彼女が見ている方へと
視線を移す.....が、
人が多すぎて誰を見てあんな悲し
そうな顔をしているのか、分かるはず
もなく──
もう一度、彼女の方へと、目線を戻すと…彼女はちょうど下へと視線を落とした。
あ~、きっと.....泣くな.....。
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