かわいそうなおうさま

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 とうぎじょうにいっても、しごとをしているときも、げーむにきょうじているときも。  おうさまのみみにはだれかのこえがひびいています。  ――ごにょごにょ、ごにょごにょ。  やがてそのこえはずっときこえるようになりました。おいしゃにきいても、げんいんはわからずじまい。 「ええい。わたしのみみをなおせるいしゃをよんでこい」  おうさまはくにじゅうのいしゃをあつめました。それでもげんいんはわからずじまい。 「これではきになって、よるがねむれない。だれかなんとかできんのか」  あるよる、そうなげいてるおうさまにおきさまがいいました。 「わたくしなら、そのこえをしずめられるやもしれませぬ」  おうさまはわらにもすがるきもちでおきさきさまにたのみます。 「よし、たのむ。きさきよ、なんとかしてくれ」
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