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それからおうさまのわがままはとどまるところをしらなくなりました。
ごはんはなんかいもひっくりかえし、とうぎじょうではひとびとをおしのけ、おきさきいがいのわるくちをだれかれかまわずいうようになりました。
「やくたたずめ! わたしのちからとなるのはきさきだけだ!」
おうさまはだいじんたちにどなります。
「ええ、そうです。そうですとも」
だいじんたちはいつもとおなじようにこたえます。
「それしかいえないのか! もういい、さっさとでていけ!」
おうさまはだいじんたちをじぶんのへやからおいだします。そうすると、おうさまのみみに、よりいっそうおおきくなったこえがきこえます。
「ええい、なんなのだこのこえは!」
そうさけんだとき、おうさまははじめて、そのこえがなんといっているのかききとれることができました。
それはだいじんのこえで、たしかにこういったのです。
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