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「…朝だ」
「…朝ですね」
「…朝ね」
もう、夏である。
オレこと、夏川大和は無事テストを突破し、夏休み中の補習を回避することが出来た。
まぁ当然だ。
なんせオレ、吸血鬼だからな。
で、オレたちが今、なんでこんな目の下にクマを作って三人揃ってソファに座っているのかというと、それは今から8時間ほど遡った10時。
…奴が現れたのだ。
皆、夏といえば何を頭に思い浮かべるだろうか。
オレはやっぱり海だ。
笹倉の水着はぶっちゃけどうでもいいが、紫音の水着には大いに興味がある。
なんせあの巨乳だ。
きっと凄いことになるだろう。むふふ…。
っとと、いかんいかん。
ま、それはおいといてだな…。
夏はオレにパラダイスを与えてはくれるが、同時にオレに地獄を魅せる…。
…そう、『奴』である。
奴は突如現れ、素早い動きでジローを翻弄し、恐怖に我を忘れた紫音の包丁を全てかわしきり、笹倉の足元を這いまわり、この家をめちゃくちゃにしていった。
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