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紫音と笹倉の悲鳴が鳴り響き、ご近所さんに迷惑だと考えたオレはすかさず新聞とハエ叩きを構え応戦するが、善戦虚しく、奴を取り逃がしてしまった。
それからオレは、夜中の化け物退治を朝霧に任せ、夜中の間3人と一匹で『奴』を始末しようと、奮闘していたのだ。
おかげで、この有様である。
いくら吸血鬼でも、夜中の間中叫んだり走ったりしてれば、そりゃ疲れる。
化け物退治のがよっぽど楽だぜ…。
「学校、行くか…」
「そうですね…行きましょう」
「もうすぐ終わりだものね…」
移動。
到着。
「おーっす」
級友兼監視兼狼男の朝霧梅雨が、開口一番に気だるそうに言う。
オレの席に座りながら、雑誌を読んでいる。
「おす。昨日は悪かったな」
「いいってことよ。オレとお前の仲だろぅ?」
気持ち悪いと、感じてしまった。
言うまでもないが、オレはホモ属性ではない。いたってノーマルだ。
朝霧も、きっとそうだと信じたい…。
「そんな事より夏川。放課後、少し話しがある」
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