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「は、話し…?話しってなんだよ…?」
おいおいまさか、本当は朝霧…ノーマルじゃないってのか…?実はアブ・ノーマルでしたってのか…?
「安心しろ。お前が考えてるようなことじゃない。断じて違う」
「だよな」
安心した。
そういえば、人はなんで安心したがるか知ってるか?それはな、不安だからだよ。
以上。
「3年の伊形紗枝のことでだ。放っておきゃ良かったのに、お前が余計なことするからさー」
「あぁ…。正直オレも、あぁなるとは思ってなかったよ」
誰に想像できた?
化け物や、祓魔師に関わるなと忠告したはずが、その忠告を無視し、あまつさえこのオレを付け纏うなんて奇行を、誰が予想できただろう。
誰にも予想できなかっただろう。
きっとな。
「人の好奇心は時として、生きる意味を忘れさせる」
「え?」
どこか得意げな顔でそう言う朝霧に、思わず聞き返してしまった。
特に聞えなかったわけではない。そのへんは、彼もわかっているようで、同じ事を繰り返すことはなかった。
「昔光太郎が言ってたんだよ。人は自分の好奇心を制御できない。それをどう誘導するかが、リーダーの務めだって」
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