STILL

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小包と対峙すること数十分。 このままじゃ埒が明かない。 「よし!!」 覚悟を決めて小包に手を伸ばした。 見た目通り軽い長方形の物体に厳重に貼られたガムテープを勢い良く剥がす。 緩衝材に頑丈に包まれた物体を取り出すと それはごくごく見慣れた物だった。 「i Pod?」 私の、ではない。 だって今朝バックに入れてそのまま出してない。 じゃあ誰の? 不思議に思いながら小包の中を見ると、大量の緩衝材の隙間から小さなメッセージカードが出てきた。 手に取って文字を目で追う。 懐かしい文字の羅列が頬を緩めてくれる。 「相変わらず、几帳面そうな字。」 笑いと一緒に 涙が溢れていた。
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