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ヴァンッ…と、突然目の前にコンピューターの光で作られた立体の桜の花が浮かんだ
「桜が咲く頃に~また会いましょうよと~♪」
背後から桜色の肩掛けを身に纏った女の子が聞いたことのない歌を歌う声が聞こえた
そっと振り替えると、宙に表示された電子パネルを操作しながらこちらに歩いてきていた
ただ無言でその女の子を見ていると目の前にあった桜がスーと女の子の手に渡り、「はい!」と指先で桜を触ると、その桜が本物の桜となった
「もう蕾が開きそうだよ」
この病院には何種類もの桜が植えられていて、この桜を見に来るために春には沢山の人が訪れる
「君は…「全く何処に行ったのかしら」
女の子が何かを言おうとするとドアの向こうから何人かの声がした
女の子は、まずい!という表情をしてパネルを何度かタッチすると、俺に向かって人差し指を立てて、シーッとやった
すると、女の子の姿は見えなくなった
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