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「にしても、本当に凄いな。お父さんのパンチより速いな」
「何いってるのあなた。あなたパンチなんかしないじゃないの」
父も母も初めての事に楽しそうにしている
久々に家族三人で出掛けたんだ、楽しくない訳がない
「こう見えても高校の時は…」
「はいはい、その話もう10回は聞いたよ」
「あと100回は話すつもりだ。」
やめてくれよ、と父の冗談に笑った
そんなとき。
――――ガタンッ!!
車体が激しく揺れた
それは何度も続いた
「大丈夫か!?」
父の俺たちの安否を確認する声に頷いた
『ただいま震度4強の地震が…ッ…ッッ
車掌さんの声は途中で途切れた。
何があったのか、と車内が静まるとまるで千頭の馬が走っているような轟音が響いた、と同時に車体が激しく揺れ、車内に悲鳴が上がった
「きみえ!はやと!!」
父の呼び声のほうに母の手を繋いで向かおうとすると車体が傾いた
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