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静寂の中意識がはっきりすると身体のあちこちから悲鳴が上がった
「いった…」
ゆっくり軋む体を伸ばして立ち上がり目を開けた
「何だよ、これ」
汽車は横倒れになり、周りには血だらけの人、人、人
もう顔も分からないくらいぐちゃぐちゃな人、人、人
汽車に押し潰されて腕だけが見えてるような人、人、人
あぁああぁぁぁぁぁッ
「はや…と…」
何処からか聞き覚えのある声が俺を呼んだ
「父さん!?」
その声の元へ全力で走った
その時気付いた、俺の左腕がないことに。
バランスを崩して上手く走れず、死体の上をぐしゃぐしゃ走った
父の下半身は汽車の下敷きになっていた
「父さん!!」
父は俺が来たのが分かるとか細い笑みを浮かべた
血でベットリした震える手を何処かにいかないように俺は強く握った
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