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『死にたくない』
その時、脳裏に浮かんだのは俺があの時に繰り返した言葉
「まさか…」
疑った。
疑ったが、事実自分は死ななかった
それに怪我は治った
「…みわかんね」
ユラユラと頭を抱えながら立ち上がると、ふらついてなにかを踏んでしまった
グシャッという嫌な音がした
多分死体だろうとなんとなく予想はついた
振り返ってみると、母だった物体だった
「母さん…俺、死ねなくなっちまった。ごめんな」
ポツリポツリと俺には似つかわしくない、生暖かい涙が頬を伝った
母だった物体を良くみると、まるで俺の分までズタズタにされたような…
…俺の、分…まで?
「――あ゛ぁぁああぁぁあぁぁぁぁぁぁッ!!」
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