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「お話のところ申し訳ありません。そのモンスターとはなんでしょうか?」
種類や規模がどうなのかと掘り下げて。
「中型のティグレが多いな、数頭の群れが郊外にまでやってくるんだよ。向こうが腹を空かせていたら危なくてたまらんね」
ティグレは四足の短毛種、牙や爪を持っている猛獣の一種である。一頭のオスに複数のメスが従っている、家族単位の群れが基本になっている。一方で一頭だけならば群れを作れなかったハグレのオスと相場が決まっていた。
「ですが徴兵をしているのですから、警備が巡回していたりするのではないですか?」
理由があるから人手を増やす、道理である。治安が悪化しているならば、それを正すために力を傾けるのが当たり前だろう。
「どうだろうな。訓練つけて半年位で復帰させるんだよ。それって予備兵の鍛錬みたいじゃねぇか?」
――半年で復員させる、ね。確かハイランドは三万位の常備兵が居たから、三年も続けたら十数万の予備が動員出来る……か。
フラウが何かを考えているのを目の端で確認し、もう少し食い下がってみる。
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