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「実際の被害状況など教えては頂けないでしょうか?」
すっと頭を下げてお願いする。海鳥セーラーズが顔を見合わせて、仕方無いなと口を開く。
「あんまり騒ぐなとお上から言われてるが、こうなったらしゃーないわな。あれだ、南東の山岳部近くで特に被害があったみたいだ。喰われているのは殆んど無かったらしいがね」
「ただ単に人を襲っただけですか?」
モンスターが危険を侵してまでわざわざ他の種を襲う。違和感があった。
「子供は居なかったらしいが、大人は男女構わず、比較的男が多かったか?」
――南東でだけ男を中心にティグレがわざわざ襲うだけ襲った。作為的な何かを感じるわ。
おしおの太股を軽くポンポンと叩いて、関わることをフラウが許可してやった。シオンがフラウの太股を軽くポンポンしようとして、フォークを刺された。
「ありがとうございます。少々急用が出来ましたので中座させていただきます」
「いてらー、近くの宿にいるわね。ってことで難しい話は終了。ねぇ、どんな海を旅してるのか教えて!」
セーラーズが顔を輝かせ、我先にと話し始めるのであった。
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