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このパンフレットを作るのも関連業務であろう、細分化したらキリがない。いわゆるワンポイントの仕事がよろず屋のメインだ。
「ええと、では登録で進めさせて頂きます。こちらにご記入下さい」
二人の目の前にずらっと項目がある、申込書が置かれた。名前や主たる特技の他に可能な移動範囲など多岐にわたる。
「姐さん、営業範囲はどのくらいに?」
「サンライズ国まで行っても構わないわよ。全国にしちゃいましょ」
気軽にあれこれと書き込む。申請は自由で別に何の強制力もありゃしないわけだが、受付嬢が苦笑いするような記述が並ぶ。一応仕事だからと受理すると、身分証明書が発行される手筈になる。
「こんなところにお出ででしたか」
「あっ、おしおさんも登録しましょーよ」
階段から登ってくる彼に手を振って呼び掛ける。保護者がやってきたと受付嬢がほっとした。
「よろず屋ギルドですか。承知いたしました、私も登録致しましょう。お嬢さん、宜しいでしょうか」
「はい、あの、ごゆっくりどうぞ!」
何故か頬を朱に染めているではないか。
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