ハイランド王国港町マーラル市

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 群れを作るくらいに成熟するには、オスメス隔たりなく三年はかかるらしい。つまりは急増したなら移動してきた可能性が高い。  ――じゃあ何処から移ってきたわけね。その原因こそが解決の近道なのも見落としちゃダメよ。 「マーラル軍はどうして放置を?」  市民への危険があるならば、軍が出動をかけるのは当たり前だ。それをしない理由が簡単に解るとも思えないが。 「被害は認めても討伐まではしない方針のようです。警備は強化しているのですが、被害者が街外れに出ての不注意だからと言うのが見解の様子で」  ――市民側の問題ならば言い分もあるわね。でも不自然な感じは残るわ。 「死人に口なし、ね。で、おしおさんはどうしたいのかしら」  マーラルに家族が居る以上、無視はしないと解っていて本人の意思を確認する。これに関してはシオンも特に口だしはしない。 「軍の不始末は私の不始末でもあります。可能な限り問題解決に尽力致したく存じます」  フラウの前に立って介入を申し入れる。彼女ははっきりと頷いて応えた。 「許可するわ。何が裏にあるか楽しみね!」
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