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インクで塗り潰して削除を完了。非常にファジーな処理が行われたようで、すぐに戻ってくる。
「お待たせ致しました。それでは出発しましょう」
「え、もう陽が暮れるのに今から?」
リスクの管理は大切なことである。そのことを差し置いてもすぐに出ようと言うのだから、今さら意見を翻すとも思えない。
「いきましょうか。あんたは来なくてもいいわよ」
「ぃぁ、行くっす!」
馬が必要と先程話が出ていたのでこれを三頭仕入れる。早速身分証明書が役にたった、変な詮索も無しで売買してくれた。支払は他国の金貨であったが貫目で扱ってくれる、流石に港町と変に感心してしまう。
「騎馬で何かとはないでしょうけれど、槍も買っておきましょう」
装備を並べている店頭で長物を目利きする。徒歩でも使用可能なポールウェポンを一本手にして「少し離れていて下さい」感触を確かめる。
「ハァ!」
鋭く息を吐いて虚空を突く。素早く引き戻しながら体を巻いて穂先で弧を描くと横なぎにした。端を持って大きく振り回し、最後に地面に叩き付ける。
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