ハイランド王国軍マーラル分遣隊

18/18
238人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
 被害者への補償も行うようにと付け加える。 「承知いたしました。まだ戻られないのですね」 「陛下には未熟者の責はまだ消えていない、それだけを伝えて貰いたい」  放たれてしまった馬の替わりに軍馬を三頭与えられる。これも被害の補償だとエテルナ大佐に言われて素直に受け取った。  マーラル市に向けて三人はゆっくりと馬を歩かせる。 「ねぇ、おしおさんがハイランドに戻ってもあたしは構わないわよ」  もう凄く長いこと一緒に居られたし、帰る場所があるならそうしなさいと。 「フラウさんは私がもう不要でしょうか?」 「そんなわけないじゃない。でも……」 「ではご一緒させて下さい。それが私の望みです」  お髭さんが微笑む。うーんと悩むが結局フラウが折れた。  ――罪と罰、ね。自身に厳しいのは良いけれど、時間は戻らないと知って欲しいわ。 「じゃ、次はフレイム王国に行ってみましょ!」 「はい、畏まりました」 「懐かしいっす、フレイム。あの微笑野郎は生きてるんすかね?」 「さあ?」  一行は何事もなかったかのように旅をするのであった。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!