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被害者への補償も行うようにと付け加える。
「承知いたしました。まだ戻られないのですね」
「陛下には未熟者の責はまだ消えていない、それだけを伝えて貰いたい」
放たれてしまった馬の替わりに軍馬を三頭与えられる。これも被害の補償だとエテルナ大佐に言われて素直に受け取った。
マーラル市に向けて三人はゆっくりと馬を歩かせる。
「ねぇ、おしおさんがハイランドに戻ってもあたしは構わないわよ」
もう凄く長いこと一緒に居られたし、帰る場所があるならそうしなさいと。
「フラウさんは私がもう不要でしょうか?」
「そんなわけないじゃない。でも……」
「ではご一緒させて下さい。それが私の望みです」
お髭さんが微笑む。うーんと悩むが結局フラウが折れた。
――罪と罰、ね。自身に厳しいのは良いけれど、時間は戻らないと知って欲しいわ。
「じゃ、次はフレイム王国に行ってみましょ!」
「はい、畏まりました」
「懐かしいっす、フレイム。あの微笑野郎は生きてるんすかね?」
「さあ?」
一行は何事もなかったかのように旅をするのであった。
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