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片や、学内随一の恋愛要注意人物髪染め半ヤン優良児。
もう一方は、性別の垣根を越える人気と家事スキルカンスト状態の将来有望良妻賢母。
話題性が抜群過ぎるこの二人。何故、そんな二人が朝からお茶の間夫婦劇場をしているのか。
答え〈幼馴染みだから〉
許嫁、義理家族と言った、三大幻想人間関係に当たる『幼馴染み』に、目の前の二人はカテゴライズされるのである。
『そんなギャルゲーな展開があるか』と言う人もいると思うが、現実は小説より奇なり。有り得ないなんて有り得ないのである。
当初は二人の関係に対し、『二人は入籍済み』『結婚三年目の夫婦』『爆発しろ』『むしろ俺たちが爆発しろ』などと、噂(後半なんか違う)が立ったり嫉妬と憎悪の視線と舌打ちの聞こえる日々が続いていたりしたが、二人が頑なに『ただの幼馴染み』を主張するため、今ではそんな二人をスルーか日常の一幕として受け入れられ、中には希望の象徴として崇めるヤツ(おもにモテない男共)も現れるようになった。
そんな二人が俺にはとても羨ましく、とても眩しく見えた。
なおも夫婦漫才を続ける二人を放置し、俺は自分の席へと向かった。
・・・・・・正直やるせない。
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