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何だかんだ時が流れ、学校午前の部がつつがなく終了した。
中間テストが間近に控え、勉強に熱が入り始める時期なのだろうが俺にはそういうことが一切なく、いつも通りの授業態度で過ごしていた。
というか、朝の一幕でヤル気が無限の彼方へ飛び去ってしまったので態度も何もあったもんじゃない。
「とにもかくにも昼飯だ」
時間は12時過ぎのお昼時。
主に昼食を食べるために設けられたこの時間に弁当食べずにいつ食べる。
急ぎカバンの中身を漁り、迷彩模様の袋に包まれた弁当箱を取り出す。
愛妻弁当ならぬ愛妹弁当。
別段上手くない。
「頂きます」
蓋を開け、手を合わせて食前の挨拶。
今から自分の血となり肉となる食べ物への礼儀だ。
「うん、美味い」
妹手製の弁当に舌鼓を打ちつつ賛辞の言葉を呟く。
まぁ、冷食と夕飯の残りではあるが。
「―――ご馳走さまでした」
もとより、誰かと昼食を共にするという習慣のない俺は食べるのがかなり速い。
おかげで、時間をもて余す。
別に友達が居ないとかそういうのではない。
「暇だ・・・・・・」
最近、独り言が増えた気がする。
別に友達が少ないというわけでは決してない。
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