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「・・・・・・なんだよ」
「暇なんです」
やって来たのはジローの席。
隣の席が空いていたので座らせてもらう。
「俺のとこじゃなくて、コマケンのとこ行けよ」
「いやだ、俺はまだ死にたくない」
どうせコマケンはカナさんと昼食を摂っているのだろう。カナさん手製の弁当を食しているのだろう。あの二人、付き合ってもいないのに『慣れてる』感が半端ない。幼馴染みだからか。
なんなのだろうアレ。
爆発するの?
むしろ、俺が爆発すればいいの?
「・・・・・・なぁ」
「なんぞ」
「水着で何が好き?」
会話が無くて気まずかったにしても、話題を選ぶくらいの余裕は持つべきだった。
「水着ってのは普段は服の下に隠れている素肌を合法的に見るために考え出されたものであって、形がどうとかはどうでもいいんだよ。まぁ、そんなことで好き嫌いが別れるようなヤツはまだまだだな。形とかじゃなくて機能美を見るべきだ。まず、そうだな・・・・・・。オーソドックスにビキニとか―――」
「悪い用事できた」
口は災いの元。
不用意な発言を自分の首を絞め上げる。
先人の残した言葉の偉大さを噛みしめながら、教室の扉へダッシュした。
全力でダッシュした。
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