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妹の作った朝食(朝は和食)を味わいつつ急ぎながら平らげ、歯磨き、洗顔を済ませて玄関を開ける。
前述のとおり季節は夏。突き刺さるような光がジリジリと俺の肌を焼き上げる。
「夏真っ盛りだぜ!!」
テンション上げるために叫んでみた。
虚しくなった。
「地球温暖化・・・・・・」
高校生には重い問題だ。
「何やってんの?」
声に振り返ってみると、妹が不思議そうに見ていた。
「幸薄い人生に嫌気がさして叫んでみた」
「大変なんだね」
大変なんです。
「そんなんじゃ彼女もできないよ?」
ビシッと、唐突な妹の発言に俺の中の何かにヒビが入るような音がした。
年齢と彼女いない歴が等しく、地味に気にしている思春期男子にその言葉はあまりにもクリティカルな一撃だった。
「えっと、なんかゴメン?」
相手の機微に気付き、謝ることができるのは彼女の美徳だと思う。
だが、自分よりも2つ下の中学生にからかわれ、あげく気遣われている状況は高校生としても兄としても如何なものだろうか。
「死にたい・・・・」
「・・・・・・ごめんなさい」
その後、妹と別れ陰鬱とした気分を引きずりながらも学校へ向かうことにした。
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