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「お前柊と同じクラスだろ?いいよなー」
「なー。俺なんか……」
お昼休み。恵里菜が委員会でいないため、教室で一人っきりと言うことを回避すべく屋上にいた。
日向が当たっていて、それほど寒くはない。
が、今すぐここから立ち去りたい。
……理由は簡単で、私の話をされているから。
あの人達の死角にいるから、私の存在は気づいてないようだけど。
「……はぁ」
紙パックにストローを刺しながら、ため息をついた。
ドアに向かえば、間違いなく気づかれるだろう。
どうしようか。
甘いミルクティーを口に含むと別にこのままでもいい気がしてきた。
日向ぼっこをしていたせいか、少し眠い。
「そーいや俺さ、この前告られたんだよ」
働かない頭にそんな文章が入ってきた。
告白か。青春だな。
最近やけにそう言った話が出るななんて思っていたら、あと一ヶ月もすればクリスマスが来ると気づいた。
「それでさ、そいつが大山でさ!あんなやつに告白されても嬉しくないっつーか」
下品な笑い声。
思わず、眉をひそめた。
なんで、そんな風に思うんだろう。
相手は、勇気を出して言っただろうに。
……気づいたら、ストローの口を噛んでいた。
そして、
「俺は、柊が好きなのに……って……!?」
その人達の視界に入るところに、気づけば立っていた。
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