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「藤堂さん家の碧君ってば、また学年でトップだったらしいわ~。
羨ましいわよね、あんな完璧な息子さんがいて。」
学校帰りに自然と耳に入ってくる名前も知らないおばさん達の会話。
また碧のウワサ。
その会話を聞かないように、走って家まで帰る。
そして、家に着いた途端碧の部屋のドアを勢いよく開けた。
ドアはバンッと大きな音をたてる。
「ちょっと!またおばさん達が言ってたわ。“碧君がまたトップらしいわ。”って。あたしだって同点でトップだったわっ!なのに…なんで、なんでまた碧だけなのっ!」
窓際で本を読んでいた碧が顔を上げ、あたしの方を見た。
「………そんなの俺に言うな。」
それだけ言って、また本に目線を移した。
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