607号室

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耳の後ろで一つにまとめているこげ茶色の髪の毛が、顔の動きにあわせてぴょこっと揺れる。 …かわいいっ…!! 「だいたい終わりました!」 そう答えながら、看護師さんが首から下げているネームをみる。 折笠美保。おりかさみほ、で読み方あってるよね…? その時、ずっと病室の人と話していたお母さんが、やっとこちらに気が付いた。 「あら、すみません、気が付かなくて。 萌の母です。 これからよろしくお願いします。」 そういいながら、お母さんは微妙に熱がこもった熱いまなざしを折笠さんに向けている。 …きっと私と同じこと考えてるんだろうな…。
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