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その上、奥からかすかに感じる、消毒液のにおい。
…いやだ、
…帰りたい。
「どうしたの?」
お母さんが呼んでいる。
「うん、ちょっとね。」
…私は今、ちゃんと明るい声が出せただろうか。
私が事故に遭い、一番心配してくれたのも、今回の入院に最後まで私の意見を尊重する、と言ってくれたのも、お母さんだった。
私は、本当は
自分の傷なんかどうでもよかった。
制服を着るときサポータをしなきゃいけなかろうが、ショートパンツやミニスカートがはけなかろうが、
…そんなの、どうでもいい。
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