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何も始まらない、何も終わらない
まるで、ホラー映画の一つの風景のように、あたりは暗いし、建物のほとんどが、きるで何かの戦場後のように壊れていたりする
歩行者天国の日なら、いつもうるさいくらいに賑わう交差点も、まるで墓地のように静かだった
全身の毛穴から汗が飛び出てしまうのではというくらい心臓がバクバクしてる。それどころか、肌寒いのか鳥肌までたってきていた
車自体が走っていないので、交差点の真ん中を走る僕を誰も止めようとしない
気持ち悪いなんてもんじゃない
一歩一歩、歩くたびに足が重たくなっている気がする……。体全体が「ここは本気でヤバイ!」「引き返したほうが絶対良い!」といっているかのように、今の秋葉原を拒絶している
「とらのあな」と書かれた、黄色の店舗に着いた。何度か着たことがある僕は、今の「とらのあな」が、以前来たときの「とらのあな」とは全然雰囲気が違うことに一瞬で気づいた
建物の全体。いや、この秋葉原にあるすべての建物からどす黒い、吐き気がするようなオーラを漂わせている
「行ってはいけない!」という体全体の指令を無視するかのように、ゆっくりと「とらのあな」の中に入っていった
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