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「よかった、どこも怪我してるところはないね」
「あ、あり――!?」
女の子は僕の顔を見るとすぐに顔を赤くしていた
「どうしたの?」
「な、なんで……君が……ここに……!?」
「? 僕って君とあったことある?」
「! ボ、ボクのことを覚えてないのかい……?」
覚えてない? 僕はこの子と会ったことあるのか?
「そ、そっか。覚えてないなら……いいんだ……」
女の子はションボリと肩から力をなくしたかのようにため息をついた
「で、でも、ボクは君をここに呼んでないのに……なぜ君がここにいるんだ……」
女の子はポツポツと独り言のように話している
「そもそもなぜ君がここにいるのだ……?」
「な、なぜって聞かれても……ちょっと、いろいろあったんだよ……」
「いろいろあった?」
「うん……。君も知っていると思うけど今秋葉原は……」
「人類大量殺害兵器(シンキャラ)に侵略されつつあるのだろう?」
「……えっ?」
「君もそのことを知っていて、2025年、現在の秋葉原にきたのだろう?」
「え、なにそれ? なにそのSFみたいな設定……。僕、まったく知らないんだけど!?」
「? 知らない? じゃあ、なぜ君は秋葉原に来たんだ?」
「なぜって、夢の――じゃなくて、清に連れて来られたんだ。あっ! 清っていうのは僕の――」
「知っている」
「へっ?」
「だから、知っていると言っているのだ。君の耳は節穴なのかい? 神無月世流」
「!?」
僕、この子に自分の名前を教えたっけ……?
「な、なんで……僕の名前を……」
「はぁ~、その様子だと本当にボクのことを忘れているのだね……ボクも、君の心の友だというのに……」
「えっ? えっ?」
「でも、酷いじゃないか。このボクのことを忘れるなんて。ほとんどの人は、ボクのことを一度でも見ると、大抵の人は覚えているのに。ボクは悲しいよ……心の友だとずっと思っていた君に忘れられているなんて……。ボクだけ覚えていて、君だけが忘れているなんて……」
「えーっと……君、本当に誰?」
「女のボクに名乗らせる気なのかい? まあ、いいけどさ……」
女の子は自分の胸に手をそえる
「ボクの名前は小鳥遊優(たかなしゆう) 現レジスタンスのリーダーなのだよ」
「……はい!?」
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