スタート

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 十分くらい時間が経った頃 「……はあ!?」 「どうした!?」 「な、なんなんだよ……これ……!」  酷く動転しているようだ 「どうしたんだ!」 「アキバが……」  次の言葉が、自分の考えていたこととは百八十度以上違う言葉だったことに酷く驚いた―― 「アキバが……閉鎖された……」 「はあ!?」 「だから……! アキバが……閉鎖されたんだよ!!」  僕達の……アキバが……閉鎖された? 「どうして!?」 「詳しい事情が書いてねえ……」 「お前等レジスタンスの連中はじゃあなんで連れてかれたんだよ!」 「わかんねえんだよっ!」 「くそっ……」  どういうことだ……? 閉鎖されたアキバに……政府がオタクを連れて行っている? 「おいおい……こりゃ、ただ事じゃねえ気がするぞ……」 「ああ、同じく、僕もそんな気がするよ……」 「俺達、レジスタンスのみんなはどうなったんだ……!」  夢の中で出てきた三つの約束  今、アキバで起きていることに、この三つの約束が関係しているのか……? 『貴方が私と交わした三つの約束を忘れなければ……絶対に私は再び貴方の目の前に現れますわ……』 「くそっ!」  なんでこんなときに、さっきの夢の内容が出てくるんだ……  僕も、そのアキバに行ったほうがいいのか……? 「なあ……心の友<神無月世流>さんよ……」 「なんだ……?」 「オレ……ちょっと、アキバ行って来るわ……」 「……僕もまったく同じこと考えてた……」 「へへっ……さすが、心の友だぜ」 「ああ、今回ばっかりは、お前と心の友でよかったと思ったことはない」  そうだ、迷うことはない……! 「すぐ行く!」 「ああ! すぐに来い!」  電話はそこで途切れる  普段使っていない、山積みにされた着替えの中から、適当にチェックのパーカーと緑の無印シャツに灰色のカーゴパンツを取り出し、すぐに着替える  そして、部屋のドアを突き破るようにして出た 「どうしたの!? よる君!?」 「ゴメン……お母さん、ちょっとアキバ行ってくる……!」 「えっ!? ちょっ!」  家のドアを開け、息を切らしながらも走るのをやめず、品川駅に向かった――  僕の夢の内容が……そこにあるかもしれないんだ!
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