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「が、あぁぁ……ぁぁぁ……」
「大丈夫か?」
失神しかけている僕に、一応心配してくれた清だったが
「まあ、意識はあるみたいだし、大丈夫だろ」
と言って、バイクから降り、一人でスタスタ秋葉原入り口の方に行くのだった
「ま、まって……」
僕もその後を追いかける
「てか、なんであのバイクをあのまま秋葉に入れなかったんだ?」
「見てわからないのか」
見て?
「……!?」
入り口には、警察の方々かと思わしき人たちが、何人も秋葉原入り口を囲んでいた
「ね、ねえ、あれって……もしかして……」
「そのもしかして、だな……」
誰も秋葉原に近づかせないために囲んでいる……
「よし、実力行使で――……」
「無理だろ! 僕達はただのオタクだ。それに、数も違いすぎる……」
「ん? お前なに言ってんだ?」
「えっ?」
「だからオレは、実力行使であの警察共にお願いすんだよ」
「だから、実力って言っても……て、お願い?」
「ああ、ちょっとそこで待ってな」
何をする気なんだ……アイツは……
清は警察の方々の前まで行く
「なんだ、君は!」
清は膝を折り曲げ、地面に膝を着く
両手も綺麗に揃え、その両手も地面に着き、頭を下げた
「ま、まさか……あれは……」
僕も覚えている。夏コミの時、同じことを清にやられ、一部買ってしまった“あの技”
「頼む! 仲間がアキバにいるんだ! 仲間との連絡が取れなくなって……今なにをしているのかわからなくて……心配で心配で仕方ないんだ! お願いします!!」
清の土下座だ――――――…………
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