序章。

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「ははは!悪い悪い!で、悠斗は夏休みの予定とか決まったてんの?」 俺の文句を笑いで流す渡。 悠斗、俺の名前だ。深山悠斗(みやま ゆうと)。どこにでもいる男子高校生、だと思う。 「なんも。渡はやっぱ部活?」 「部活で大体潰れるな。悠斗は帰宅部だから暇なのか。旅行でも行けばいいじゃんっ!一人旅流行ってるらしいぞ!」 ははは!とでっかい口を開き、快活に笑う。......一人旅ねぇ。 「んー。まぁ考えとく。金とか色々あるし」 バイトはしてたけど、一人旅とかしたらすっからかんになりそうだ。 「土産頼んだぞっ!」 こいつの中では1人旅が決定してるらしい。まだ決まってないんだけどな。 「嫌だね」 そんな雑談をしながら帰り支度を終え、俺達は教室から出た。 そうして下駄箱まで到着。2人で靴を履く。あれ......そういえば、 「部活はいいのか?」 渡は今日の曜日は部活だったはずだ。まぁ夏休み扱いで違うのかもしれんけど。 「あっ......」 そんなことはなかったらしい。 「やべっ。今から行くわっ!じゃあな悠斗!」 「お、おう」 渡と別れ、俺は1人寂しく帰宅した。
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