序章。

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1人旅とか言われたけどやるならどのくらい金がかかるんだろう。軽く調べてみたが、期間にもよるがなんとかなりそうだ。 両親から十分すぎるほどのお金はもらっている。学校があっても土日などにはバイトをしてたし、出そうと思えば出せる、と思う。 そうしているといつの間にか日が傾いていた。 飯の準備でもするか。 この日は適当に過ごして、俺は自室に戻り布団に横になる。 あ、結局夏休みどうするか決めてないや。ま、いっか。明日決めよう。うん、そうしよう。 すごくダメな人の思考な気がしたが、俺はいつの間にか意識を手放していた。 次の日、俺は洗面台の前にいた。ただの歯磨きだ。 鏡には寝癖で髪が変な方向にはね、寝ぼけ眼でいかにも寝起きですよ、と主張している男が一人。 顔は......悪くない方、だと思いたい。思わせてくれ。 男は一般的な日本人と同様に黒髪で、長さはミドルってところ。 人を真っ直ぐ見つめると、睨んでいるように見えるとよく言われる目。だから極力見つめないように、目に力を入れないようにしている。そうすると死んだような目だと言われる。どうしろと。 そんな自分の容姿に突っ込みを入れつつ、朝の支度を済ませる。昨日も考えたが、今日は予定がない。 うーーん、昼前に買い物に行って、それ以降はPC使って調べ物でもするか。あ、あと撮り貯めしてあった映画とかあったな。 なんとも適当な感じで予定が決定し、俺は買い物に行くために着替え、玄関に向かった。 「ん?」 俺はそこで変なものを見た。
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