深まる謎

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海「……はっ、」 海斗があたしの口を塞ぐ手を離した。 桜「…今の、何なの?」 海斗があたしの手を引きながら布団へと移動し、布団に座った。 海「それが、わからないんだ。 悪いな、いきなり口をふさいだりして。」 桜「ううん、それはいいの。 海斗が口を塞いでくれてなかったら今頃叫んでたから。 …いつから気付いてたの?」 海「お前に戻ろうって言うちょっと前だ。 なんか、よくわからないけど、気配を感じた。 もし、お前や悠二たちが見た白いヤツなら危険かはわからないけど、用心はするべきだと思ってな。」 桜「…あの、白いヤツが…」 トイレで見たあの白い人… 思い出すだけで怖い… あたしは自分の身体を抱きしめた。 ぽふっ 桜「え?」 海斗があたしの頭に手を置いた。 海「大丈夫だ、桜。 心配するな。 なんとかなる。」 桜「海斗…」 海「ほら、そろそろ寝ようか。」 桜「うん。」 不安いっぱいだけど、みんなと一緒なら、頑張れる。 絶対ここから抜けだすんだ! あたしは決意新たに眠りについた。 海「桜?」 桜からは寝息が聞こえて来た。 眠ってしまったか… 俺は寝ている桜を撫でた。 海「お前だけは、絶対守るからな。」 俺は心に決めた。 そして、学校から脱出できたらコイツに告白する。 フラれてもいいから、俺の気持ちを知ってほしい。 そんなことを考えながら、俺も眠りについた。
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