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おそるおそる目を開けると、怒っているような、心配そうな顔をした海斗がいた。
顔には海斗の手が添えられていた。
桜「あの、海斗?」
海「………お前、泣いたのか?」
桜「へ!?」
悠「…あ、やべっ」
悠二が密かに呟く。
でも、それを海斗が聞き逃すはずもなく…次の瞬間にはニッコリ笑顔で微笑む海斗がいました…。
別名、悪魔の微笑みだそうです、悠二曰く。
海「……ゆ・う・じ☆?」
悠「は、はい?」
逃げようとしていた悠二の襟首を海斗が掴んでいた。
海「桜が泣いた理由知ってるんだな☆?
まさか、お前が原因とか言わないよな☆?」
悠「そっ、それは、その…」
悠二がチラッとあたしを見た。
悠「悠二?
別に今ここで裏拳使ってもいいんだからな☆?」
うわぁ~、魔王様こうり海「桜ー、俺がいつ魔王になったんだい?」
桜「え、いや、そんなこと一ミリも思っておりませんっ!」
なんで考えてることわかるのっ!?
ってか、さっきの話されたらたまらない!
桜「かっ、海斗!
確かに泣いたけど、悠二のせいじゃないからっ!!」
海「……ふむ。
なら、どんな理由なんだ?」
あたしに疑り深い視線を送ってくる海斗。
桜「え、えと…、」
や、やばい…
咄嗟に出た言葉だったからなんも考えてないっ!
海「…桜、こいつに遠慮なんかしなくていいんだぞ?」
桜「い、いや、だから…
そ、そう!
あの、4回にびじゅちゅっ……美術室あるじゃん?」
海/憂「「うん。(桜が噛んだ!
可愛い…!!)」
悠「(……海斗と憂が思ってることが手に取るようにわかるよ…)」
桜「あの、あそこにさ、白い人の形した白い彫刻あるじゃん?
あれが、トイレで見た白い人に見えちゃって、怖くて悲鳴あげる間もなく涙がポロリと…」
よし、我ながらいい理由!
お願い、納得してくださいっ……!!
海「……はぁ…
そうか、悪かったな、悠二。」
……ふぅ。
なんとか納得してくれたみたい。
あたしは胸を撫で下ろ……せなかった。
……うん、やっぱり憂は納得してないよねぇ~
わかってたよこのヤロー!
訝しげな顔をしてあたしを見る憂。
桜「…はぁ。
悠二、ちょっと耳かして。」
悠「は?」
桜「いいから早く。」
悠「お、おう。」
悠二があたしに近寄ってあたしが届くように腰を下げ耳を傾けた。
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