始まりの放課後。

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桜「…ねぇ、こんなことって…」 憂「…あるのね…」 今現在、あたしたちは何故か学校から出れない。 …というか、昇降口があるはずのところに何故かドアがない。 んなアホなぁあぁっ! あたしは思わず頭を抱えた。 憂「桜、窓よ、窓。」 桜「へっ?窓?」 憂「そう、窓。 窓からなら下りれる!」 桜「なるほど…。 確かにそれならいけるかも! 行ってみよう!」 憂「うん…!」 あたしたちはとりあえず窓を全て確認していった。 …しかし… 桜「なんで窓まで開かないの? ってかこれ、一体どういう状況よっ!?」 窓は存在するのに開かなかった。 憂「…困ったわね…。 携帯は何故か圏外だしわからないことだらけだわ…」 いつもの憂にはない焦っていてそれでいて不安そうな顔。 桜「だっ、大丈夫だよ、憂! きっとなんとかなるよ! 頑張ろう?」 あたしにはこれくらいしか言えないけど憂には元気でいてほしいから… すると憂があたしにニッコリ笑った。 憂「…えぇ、そうね! 桜もいるし! 頑張ろっか!」 桜「うん! その意気だよ!」 あたしたち は笑いあった。 まだ、不安は抜けきらないけど、覚悟を決めた目をした憂。 憂「…!?」 驚いた表情をしたと思ったら、すぐに鋭い表情になる憂。 桜「憂? どうしたの?」 憂「…しっ! 今、足音が聞こえたの。 今ここには私と桜だけ。 でも、あたしたちは動いてないから足音はおかしい。 とすれば、あたしたちの他に誰かいるのよ、ここ。」 桜「えぇっ!?」 憂がとんでもないことを言った。 あ、足音? 憂「とりあえず、ここに入るわよ!」 憂に腕をひっぱられて近くの空き教室に入った。 よく耳を澄ますと確かに足音が聞こえる。 コツコツコツ… …ん?あれ? なんだか、こっちに向かってきてる…? やがて、足音がピタッとあたしたちがいる教室のドアの前で止まった。 あたしたちの間に緊張が走る。 …一瞬後、ドアがガラっと開いた。 桜/憂「!?」 「お前ら、何してんだ?」 「あれ?憂と桜?」 そこには見覚えのある2人が立っていた。 桜「か、海斗と悠二!?」 あたしたちの幼馴染の海斗と悠二だった。 憂「あんたたちこそなんでこんな時間にここにいるのよ。」 憂が怪訝な顔をして2人に聞いた。 悠「いや実はさ、オレたち閉じこめられたらしいんだよな…」 桜「悠二たちも?」 海「もってことはお前らもか?」
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