白い人。

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白い人。

桜「きっ、きゃぁぁぁあぁっ!!」 ガラッ 海「どうした、桜!!」 桜「か、海斗…い、今あそこに…」 あたしは思わず海斗にしがみついた。 海「落ち着くんだ、桜。 どうしたんだ?」 海斗があたしを落ち着かせようと抱きしめた。 桜「今、視線感じて窓をみたら、顔がない白い人が窓に張り付いてて… 叫んだら何処かへ行っちゃったの… …ふっ、くっ…こわっ、怖くて…っく…ひっ…く…」 海「よしよし、怖かったな… もう大丈夫だから。 …安心しろ。 ちょっと待ってろ。」 海斗はあたしを離して窓をガラッと開けた。 海「…もうなんもいないみたいだ。 大丈夫だから。」 そう言って海斗はまたあたしを抱きしめてくれた。 …しばらく泣いたあたしはようやく落ち着いた。 桜「…海斗?」 海「ん?」 桜「もう、放していいよ? ごめんね、服…濡らしちゃって…」 海「あぁ、服は大丈夫だよ。 …落ち着いたか?」 桜「うん…ホントにごめん…」 海「…そうか。 で、お前、トイレもういいのか?」 桜「…あれ? なんか、いいみたい。」 海「そうか。 なら、また行きたくなったら言えよ? 一緒に行ってやるから。」 桜「うん、ありがと海斗。」 海「んじゃ、戻るぞ。」 桜「うん。」 海斗があたしの手をとって教室へ急いだ。
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