1人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ
教室へ戻ると、憂が震えながら海斗に抱きしめられていた。
桜「憂!?
どうしたの!?何かあったの!?」
あたしたちは慌てて2人に駆け寄った。
すると、悠二が口を開いた。
悠「…実はさ、さっき窓になんか白い生物…?みたいなのがいてさ。」
桜/海「!!?」
白い…生き物…!?
嘘…やっぱり見間違いなんかじゃなかった…
あれ、でも…
悠二、生き物って…
あたしは人の形の白い人を見た。
悠/海/憂「「…くら、桜!!」」
桜「!あ、ごめん…」
海「どうした?
顔真っ青…やっぱり、さっきの…」
桜「…うん、でも…生き物って…」
悠「いや、どういうことだ?
お前も見たのか?
あの白いの。」
桜「…実は…」
あたしはさっき起きたことを憂たちに言った。
悠「なるほど…
でも俺たちが見たのは人じゃなかったぜ?
ありゃ、生き物…蛇か…?」
海「でも、憂はとてもじゃないけど蛇を怖がるような奴じゃなかったと思うんだが…」
…いや、蛇は怖いと思うんだけどね海斗くん…
憂「私が蛇ごときを怖がるわけないでしょ!?」
え…、怖くないの!?
海「だよな、なら何で?」
憂「…あれ、顔がなかったのよ。」
嘘っ?
桜「っ、憂!
ホントに顔なかったの!?」
憂「え?えぇ。」
あたしが見た白いのとの共通点か…
桜「…なんなんだろ…あれ。」
海「まぁ、普通の生き物じゃないってことはわかる。」
憂「…そうね…」
憂も考え込む。
こういう時、怖い思いをしたのに冷静になれる憂ってホントにすごいと思う。
あたしも、頑張らなくちゃ…
それにしても…よくよく思い出してみると、なんか見たことあるんだよね…
顔のない白い人…
何で見たのかな…?
悠「…あ、母さんたちに連絡とってない…」
悠二が思い出したように口を開いた。
桜/海「あ…」
そういえば、そうだ…
憂「大丈夫よ、あたしたちのお母様たちまた恒例の旅行だから。」
桜「え、そうなの!?」
憂「えぇ。…って知らなかったの!?」
桜「あー、たぶん母様のことだから置き手紙とか置いてると思う。」
海「右に同じ。
まぁ、いずれにしろ携帯は圏外だからつながらないぞ?」
そうだった…
じゃあ、やっぱりあたしたちだけで脱出するしかないのねぇーーーっ!?
そもそももう8時なのになんで誰もいない…の…?
え、誰もいない?
桜「ねぇ、うちの学校って警備員さんとかいないんだっけ?」
海/憂/悠「「!!」」
最初のコメントを投稿しよう!