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矯正装置は私が塑吾羅の事を考えるとそれに反応して、人間が最も不快に思う音を5分間鳴らし続ける。本体は両耳の後ろに取り付けるため耳と脳を直接攻撃される。最初は塑吾羅に会えるなら5分間ぐらい我慢できると鷹をくくっていた。でもあれは精神をやられる。私は段々追い込まれていった。
「おいっ黎!昼食だぞ。また食べないのか?」
最近ほとんど食べなくなった私を気遣ってか結太は二人分の食事を持ってきてくれた。
「…ありがとう。」
私は一つを受け取り、膝の上に置いた。 この地下にはテーブルは無く、男女を分ける部屋さえない 。
お互いに興味(性的)は無いのだから別にいいだろうという施設側の投げやりな考えが露骨にでている。
「ちゃんと食べとかないと体に悪いぞ。」
結太が私のパンを千切って食べさせようとしていると、肩をトントンとされ振り返った。其処にはお嬢が居た。
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