本編

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(塑吾羅…。なんで私こんなとこに居るんだろう?せっかく2人で旅行に行くはずだったのに。) 「また恋人の事考えてるのか?」 私がもの思いにふけていると同い年で三年前にこの施設に入れられた茶園結太が話しかけていた。 「矯正装置が壊れて今は無いから今のうちに塑吾羅に会っとかないと耐えられないよ。」 「そうか…お前に訃報があるんだよ。」 結太はしゃがみこみ冷たい床に視線を落として言った。 「修理終わったの?」 「あぁ…。午後にはこっちに届けられるって。」 私は手で顔を覆ってあぁ、あぁと嗚咽をあげて泣いた。また塑吾羅に会えなくなる。そう思うと泣く事しか出来なかった。 結太はただ黙って私の肩に手を置き監視カメラをじっと睨んだ。 「…結太ありがとう。」 私はやっとの思いで泣き止み結太に言った。
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