1人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「凄く綺麗でさ。俺はその瞬間胸が熱くなって、苦しくなって、自分だけのものにしたいって思ったんだ!」
「それが初恋なの?」
結太は握り締めた拳をゆっくりほどき少しだけ微笑んで頷いた。
「俺は毎日通ったよ。あいつも俺が来るとすぐに足元まで降りてくるんだ。愛おしくて、愛おしく てこれが恋なんだって思ったよ。できればずっと一緒に居たかった!でもさぁ、母さんが鳥が苦手で許してくれなかったんだよ。」
「そうなんだ。」
「あいつ俺の事覚えてるかな?変な奴に捕まってないといいんだけど…。」
いつもは頼もしく見える結太が、ほんの一瞬だけ崩れそうな砂の城のように見えた。
最初のコメントを投稿しよう!