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「もう嫌よ!耐えられない!」
いつも静寂に包まれている暗い地下に悲鳴が響き渡った。
「お嬢!落ち着けよ!」
結太は慌ててお嬢と呼んだ人の所へ行き両手を掴んだ。
「嫌よ!離しなさいなさいよ!私はあの人の所に行くの!」
お嬢は結太の手を振り解こうと必死に暴れる。
「ダメだ!お嬢がいつも言ってるじゃないか!あんな腐った玉葱野郎共が喜ぶような事はするんじゃないって!」
結太が必死に説得する中1人の中年の女性が発狂しながら重い鉄扉に向かって走り出した。
「行っちゃダメだ中丸さん!」
結太はお嬢の両手を握りながら叫んだがそれも虚しく、中丸さんは鉄の奥に消えた。
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