空は青いまま

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 世界は決して美しくはない。  過去にも未来にも現在にも輝かしさなんて存在しない。  それは偏った見解だ。  解っている。  けれど、一度自己を否定し、周囲を否定し、全てを否定してしまえば、途端に色彩は失われ、白黒に濁る。  濁ってしまえば、美しく見える事などあろうはずもない。  だから、世界は美しくない。  死のうと思った事はない。  生きる意味を感じられないのだから、死ぬ意味だって感じられない。  なので、淡々と訥々と生きている。  こんな事を考える事自体が愚かなのだろうか?  愚かでも別にいい。  だって、私なんていう些細な存在がどんな事を想おうが、考えようが、空は青いのだから。 *
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