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「・・・リザには忘れられない人がいるんだ。あいつにとって、とても大事な人。俺にとっても、大事な人だった・・・。その人の元を訪れている。」
切なげな表情で話す隊長。
その人はリザ先生の恋人?どんな人?
頭の中に次々と浮かぶ疑問を隊長に投げかけたかったが、できなかった。
これ以上は聞いてはいけない気がして―。
その時以来、この事を尋ねる事はできなかった。
その後、ギルバート隊長は突然郷里に戻って暮らしたいと、隊を辞めて行った。
それから2年が経過し、俺は18歳になり、ギルバート隊長の跡を継いだレイチェル隊長の下で働いている。
リザ先生の事はレイチェル隊長も先生と長い付き合いだから、もしかしたら知っているかもしれないと思ったが、自分でも何故だか分からないが聞けずにいた。
とても切なげに話していたギルバート隊長の表情が忘れられない。
リザ先生の身にはもしかしたら俺が想像できない程の辛い出来事があったのかもしれない。
そう考えると、レイチェル隊長にも尋ねる勇気が出なかった。
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