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-佐々木side
最近になって、あの日のことを、毎日のように思い出す。前は、たまーにやった。でも怪我してから、ほんまに毎日ように思い出すねん。
あの、卒業式の、前の日。
修平の、告白。
ほんまに、ほんまにびっくりしたけど、本当は嫌な気持ちなんてなんもなかった。
でも、俺の口から出たんは最低な言葉やった。
言ってもてから、後悔した。
あの、告白は、全然冗談じゃなかったよな。でも、修平は、笑ったし、ゲームやって言うた。
内心、結構ホッとした。これで、修平と気まずくならんでいいって思った。
つくづく、自分のことしか考えてない最低野郎よな。
それから、時間が経つに連れて、罪悪感って、いうんか…後悔って言うんか…そういうのがどんどんおっきなってきて。
なら、俺、修平のこと好きなんか?って思っても、イエス、とは言えやんし。
ただ、会いたいって気持ちが強くなっていってた。
そんな時、怪我して…呆然と、真っ白なベッドに居るとき、修平を思い出した。ケータイの中の修平見て、真っ白な顔で必死にパン食いちぎってる修平見て、すごい久しぶりに笑って…
ほんじゃあ、なんか次は泣けてきて…でも元気もらった。
俺、実は昔から修平に救われること多くて。
だからかな、嫌な気持ちせんかったんわ。修平には、ありがとうっていう気持ちがめっちゃ多いから。
めっちゃ、会いたかった。
でも、いざ、電話することもできやんくて…ケータイだって変わってるかもしれやんし…なにより、こんな情けない姿の俺…絶対見せたくなかった。
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