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あれ、そういえば、修平のせいで、また泣けたのに、修平のおかげで、もう涙止まってる。
「はは、修平すごいな」
「なにがやねん!ほら、行くで!!」
修平は、なんかちょっとだけぷりぷりと怒りながら俺の腕を引く。それがまた、可愛くて、俺は笑う。
いや、でも待って
「えっ、修平どこ行くん」
「そんなん決めてない!でも、逃げる。」
あー、もうめちゃくちゃやな。最高やん。
修平に、腕を引かれるまま、どんどん進んで、学校を出る。さすがの俺も、こんなに堂々としたサボりは初めてかもしれへんわ
「修平、俺のせいで不良デビューやな」
「…責任ちゃんととれよ!」
「しゃあないから、お嫁さんに貰ったるよ」
言ってから、修平の耳がほんのり紅く染まって、しまった、って思った。でも、同時に、嬉しい、とも思う。あー、もう、きしょい
「もう、佐々木、ほんま!アホ!!!」
修平に、結構本気の肩パンをくらう。いや、これ、痛いで!?修平くん!!!
「ちょ、修平、本気過ぎやん?」
「当然の報いやし…ほんで佐々木、どこ行くか決めて。」
つんっと、修平はそっぽを向きながら言う。ここまで引っ張ってきて、まさかそんなこと言われると思ってなかった…
なんか、ちょっとだけ、昔の、修平のイメージが覆されてる気がするなあ。いい意味で。
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