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二人で、肩並べて乗る電車。なんか、妙な気分で、不思議な感じ。
ガタガタと揺れて、ちょっと肩とか触れて、気恥ずかしくて外の景色を見る。
「…なんか、不思議な感じやな。佐々木とこんな風に電車乗ってるなんて。ちょっと、恥ずかしいな」
へへ、と笑った修平。
「俺も、同じこと考えてた。なんか、照れくさいな、こういうの。」
修平と、二人で電車に乗る日が来るなんて、想像もできなかった。
「俺な、ちょっと夢みてた。こうやって、佐々木と話したり、電車乗ったり…だから、普通に、嬉しい。」
「夢?大袈裟すぎやろ」
修平は、なんか、俺のことすげぇ持ち上げるよな、昔からそういうとこあったかも。思わず笑うと、修平はムッとした顔をする。
「大袈裟ちゃうって!俺にとっては、佐々木はそれくらいの存在ってこと!!!」
珍しく大きな声をあげた修平に、周りの視線が集まる。
「え…」
もちろん、俺もびっくりして、修平を見る。…なんか、よかった、ガラガラの電車で。
「ぁっ、~いや、今のは…ちがっ、いや、違うくないけど…えと、ごめん、失言…忘れて」
ボンっと一気に赤くなった顔を隠すように、俯く。
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