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嬉しいような、悲しいような。
なんで嬉しい?好意を向けられてたことを知れたから?修平のほんまの気持ちを聞けたから?
なんで、悲しい?修平が、昔俺のことを友達としてみてなかったから?もう、その好意を向けられてないから?修平が、前に進んでるから?
この感情は、なんなんやろ?反対なことばっかりで、矛盾ばっかりで、気持ち悪い。俺ってずっとこんなんで、ほんまの俺がわからへんなぁ
「修平、ありがとう、気持ち聞かせてくれて。これからも、よろしく」
ほら、またこんなこと言って。俺は俺の気持ちを、なんも修平に伝えられへん。
この、腹の底に溜まってるものはなに?
「…はぁ、よかったぁ、緊張したぁ。…って、佐々木また泣いてるん!?」
「え?あ、ほんまや…」
修平に言われて、自分の頬につたう涙に気づいた。わけわからんやん。
「もー、なんで泣くん?」
「わからんー、俺涙腺爆発マンやから」
適当なことを言って誤魔化すと、修平も笑う。
「ははっなんやねんそれー!」
夕陽に照らされてる修平は笑ったと思ったら、また心配そうに俺を見る。あーあ、なんやねん、この気持ち。
「ほんま、俺、なんなんやろな」
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