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いつもなら
雨の日は外に出ず
部屋でぼんやりと
時間を過ごす
雨の日は
事故の傷が疼き
どうしてもダルい
いつもなら
雨の日は外に出ない
だから
何故今日に限って
出歩こうと思ったのか…
傘を持ち
いつもの場所を
フラりと歩く
ふと足が止まる
『彼』がいる
いつも
隣に座る『彼』
傘も持たず
濡れたベンチに腰かけて
空を見上げ
苦し気に見えた
(…涙?)
今にも叫び出しそうな
空気を放ち
彼はいつもの場所にいた
「あ…の」
傘を差し出す
虚ろな表情で
「……夢?」
傘を持つ手を掴まれた
引寄せられて
抱きすくめられた
ポツリと呼んだ
僕の名前
[雨降りの日 -空間-]
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