空間 -~の日-

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傘を差しかけてくれた 君を見た 会いたいと 強く願った結果見た 白昼夢だと思った 昔のように俺を見るから 欲が頭をもたげる -触れたい- 抱きしめた瞬間 その熱に泣きそうになった ドン! 胸を押され突き放される 「……あ」 現実に君は俺の目の前 俯く君は チラリと俺を見 言葉を放つ 「…僕を知ってる人…ですか?」 後悔した 胸を疼く痛みが 全身を巡る 何の為に 触れず 語らず 目も合わさずに 隣に座り続けたのか 空間だけを共有したのか 緊張に震える 歯が噛み合わない 拳を握り 感情を押し込める 「いや、 すまない 人…違いだ 忘れてくれ…」 雨は容赦なく 降り続ける 俺は この雨が止まない事を願い 彼のもとを後にした [君に触れた日 -空間-]
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