空間 -~の日-

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その時 なんとも云えない不安が過る 堪らずに 君の携帯に電話をかけた …不通 さっきまで 隣にいて 笑顔で語り 肌に触れ 明日の約束を交わした 君の姿を確かめたくて 家へ向かう 途中君の父親に出会う 酷く慌てた様子で それが いっそう不安を煽り声をかける 「事故」 呼吸を忘れた 血の気が引いた 家へ向かう足は 逆を向き 駆け出した さっきまで 隣にいて 笑顔で語り 肌に触れ 明日の約束を交わした 白い部屋に 横たわる君 泣き崩れた君の母親 そして 目覚めた君は あの日 あの晩 俺といた 毎日が毎日のように 隣にいて 笑顔で語り 肌に触れ合い 毎日の約束を交わした 俺を知った君ではなかった 君を見つめ茫然とする俺に向かい君の母親は 喚き声をあげ 顔を平手打ち 「この子に近寄らないでちょうだい!」 言葉を放った 君は 俺のところへ向かう途中 事故にあったのだ [君が消えた日 -空間-]
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