始まりはいつも突然

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「おお、本当だ。準備しなきゃな」 と父さんは机の上を整理し始めた。 「んじゃ、俺も。着替えてくるね」 そう言うと 俺は、スタッフルームに移動し着替えた。 胸の所に店の名前がプリントされたエプロンを着てバンダナを頭に巻く。これがこやの店のユニフォームだ。 エプロンの下に着る服とバンダナは自分の好きなものでOK。 そして長めの前髪を分けてピンで止めれば準備完了。 なぜ前髪を分けるかと言うと 偶然同じ学校の生徒が店に来ても 前髪を分けていれば俺とは気づかれにくいのだ。 …まぁ、1人気づいた女の子がいたがその子についてはまた話そう。 店内に戻ろうとすると女の子と父さんの楽しそうな話し声が聞こえてきた。 ギターを注文した女子高生だろう。 俺は部屋を出て 「いらっしゃいませー!」 と言おうとした。しかし、お客さんの姿を見て驚きで声が出なかった。 父さんにギターを注文した女子高生、「白野柊」が目の前にいたからただ。
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